金曜倶楽部

食物語。

インタビュー

俺は高卒なんだが、会社の事情で今後「学位」が必要になりそうで大学に通うことになりそうだ。
 気は進まない、かなりナーバスだ。俺は小学校の頃から勉強が大嫌いだった。先生に当てられ問題を解かされるんだけど、ろくに授業も聞かないもんだから当然解けない。俺にとって学問というのは苦痛そのものだった。テストの点数が悪けりゃ母親は俺を引っ叩き勉強を強要させたが、当然それは俺をますます勉強から遠ざけた。有り余るエネルギーは遊びに費やしてきた。

 小学3~4年生の頃だったか。とある休日、その日は母親と家で勉強をする約束だったんだが俺は脱走、もとい脱獄を計画していた。図書館で友達と勉強をすると母に告げる。名前を挙げた友達の印象の良かったのか、その日の検問はゆるく難なく俺は家から抜け出すことができた。図書館に行くのは嘘ではない。俺は自転車で30分ほどの百道の図書館に向かう。そこが友達との合流ポイントだった。
 
 4人くらいだったかな、それぞれが親を騙し家を抜け出せたようだ。脱獄囚が揃ったところで俺たちはさらに自転車で10分ほどの真の目的地ホークスタウンへ出発する。
(今は「ソフトバンクホークス」だけど、このときはまだ「ダイエーホークス」だった。隣接してる福岡ドームもシーホークホテルも今じゃ名前が変わってしまった。懐かしい。末期のホークスタウンは人もテナントもガラガラのゴーストタウンだったな。)

 ホークスタウンにはゲームセンター、映画館、雑貨、ボーリングが入っており、週末なんかは家族連れで館内はごった返していた。その中で、俺たちはゲームセンターへと走りメダルゲームを堪能した。
 メダルの落ちる場所や量にセンサー反応して始まるビンゴやスロット。当たりには大中小あるが、これが大当たりすると大量のメダルが降ってくる。それに俺たちは狂喜乱舞したもんだ。
 この頃はまだメダルを貯金できるシステムがなかったため、出したメダルは全部遊び切らなければならない。後半は仕事みたいなもんで、メダルを適当なゲームに流し込むんだが、そういう時に限って競馬ゲームで大穴を引いては悲鳴を上げて騒いだ。

遊びの〆にUFOキャッチャーでドラクエドラキー人形をゲットして帰った。
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この時期は丁度ドラクエモンスターズが流行っており、ドラクエっ子の俺の心はとてもホクホクしていた。
 その帰り道に遊び疲れてたのか、百道浜の図書館の前でジュースを飲んで一服していたとき大人に声を掛けられる。

「君たち、テレビ出たくない?」
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アガッた。
この日、俺たちはテレビデビューを果たした。俺たちの役目は明日のお天気のパネルをみんなで持ってサポートする。最後、小学校名と名前を名乗りインタビューに答えるものだった。


お天気お姉さん「どこの学校からきましたかー?」

俺たち「〇〇小学校からきましたー!」

お天気お姉さん「今日はなにをしてましたかー?!」


俺たち「図書館で勉強してました。」

当時、テレビデビューにテンションMAXの俺たちにしては意外にも頭はクールだったみたいで。この放送が親に見られる可能性がある。そこを利用して逆にアリバイをつくってやった。どうぞ観てくれやと言わんばかりに。

俺たちは日曜日を堪能して、それぞれが堂々の帰還を果たす。

はずだった
帰宅して母に問われる。

「あんた、勉強してないやろ。テレビでみたよ」

観たならわかるだろ。テレビ越しに勉強しましたと言ったはずだ。しかも図書館をバックに。


俺たちはやっぱりバカだったらしく、テレビに映るとき景品の人形を詰め込んだゲームセンターの袋を肩から下げていたらしい。

その日の事件は家族ではウケてたらしく、これといったお咎めはなかった。

という昔ばなし。
また勉強か。頑張るか。