金曜倶楽部

食物語。

合コンサヴァイブ

合コンに行ったことのない人はピンと来ない話かもしれない。

俺が初めて合コンに行ったのは19歳の頃だ。高校を卒業し、自分を叱りつける教師たちの手から巣立った男というのはどこか余裕があり、お酒を注文する振る舞いも少々垢抜けてくるものだ。故に、居酒屋でも年齢確認をされる事はほとんどなかった。ただし初の合コンという状況にはガクブルだった。

 この頃のバイト戦士の俺の所持金などたかが知れている。女子の飲み代を出そうという発想はなかったわけじゃないが(強迫観念的に)、身分に不相応な振る舞いが恥な事は重々に自覚していた。何より、合コンというのはチームで動くため、一人の勝手な見栄やアヤフヤなポリシーは団結を乱す。俺たち男子の総意は『割り勘』だった。

 しかし、この歳になるとそうはいかなくなる。29歳といえば社会的に中堅だ。実力の有無に関係なく、外に出れば年齢だけでそう判断される。つまり、お金もまあ、無くは無いでしょ?と思われても仕方がないわけだ。とどのつまり、女子の会計分を多少負担してもそれは身の丈に合う行動になってしまうわけだ。だから多少は出す。仕方なく出す。それはいい。

 だが、どの割合を男が負担するのかくらいはこちらに主導権があっていいはずだ。例えば高級車にはハイオクのガソリンを入れるが、軽トラにわざわざ良いガソリンを入れたりはしない。イイ車かどうかは男が決めていいことだろう。

f:id:fridayclub:20171002164649p:plain

2位の意見の女性とは出会ったことがないので、このアンケートにどれほどの信憑性があるのかは分からない。ただ、1位の意見は正直で好感が持てる。口に出さず期待するのは勝手だし、このくらい厚かましいくらいが俺は好きだ。当然イイ女なのだろうしね。だって相手も見ずに自分は3割しか出さないって相当な自信じゃない。イイ女なんだよ。絶対。

 

 これまでに触れた話題とは何の結びつきのない話なんだけど。先週、岡もっちゃんに3対3の合コンに誘われたので参加してみた。

 

岡もっちゃん「俺のフレンドのミッキー!よろしくね!」

そう言って岡もっちゃんは俺を紹介した。何だよフレンドって。

 

すると、俺の目の前にだけパッとしない地味な女の子が座っていた。岡もっちゃんという男は本当に冷徹な野郎で、可愛い子にしか話しかけない調子のいい野郎なのだ。せっかく時間作ってきたのに地味なだけでこの仕打ちはあんまりだと思い、俺がその地味子とひたすら話してみんなとの架け橋を作るという、まあ貧乏クジな役回りだ。頼むよマイフレンド。

 

岡もっちゃんは合コンでサインを使う。血液型をそれぞれの女性に聞くところで、

 

A型は好み、または気が合う楽しいという合図。

B型は普通。まだ分からない。

O型はなし、好みも性格も不一致。

AB型は討伐対象。空気を乱す、デリカシーがない。

 

この日、岡もっちゃんは地味子にO型の烙印を押した。

 

 俺には妹がいる。もし妹が飲み会で粗末な扱いを受けてると思うと胸が締め付けられる。この子のご家族に心配をかけないよう、この子が笑顔で家に帰り着くように俺は勤め上げた。綺麗事を抜かしたところで俺も可愛い子と話したいのだけど。

 だからっと言って目の前の女性を粗末にしてはならない。話しかけるべきは一番盛り上がってない子なのだ。一人の「だんまり」は感染していく。二次会への盛り上がりを断ち切るのもこの手の子だ。メインの子たちは勝手に盛り上がるのだから、そこをさらに盛り上げていけば気持ちは反比例していく。つまり

f:id:fridayclub:20171003105311p:plain

バランスを崩した船は沈むのだ。

 

最近やたらと岡もっちゃんからの合コンに誘われるのだが、もしかするとアイツは俺を捨て駒に使ってるんじゃないかという疑念が芽生え始めた。次の誘いで判決を下したいと思う。場合によってはSATSUGAIは間逃れんぞあの犬面悪魔め。

 

ちなみにこの日の会計は男8:女2の割合で支払った。せめてもの償い、ハイオクだ。

俺の気持ちとしては岡もっちゃんに俺の分は全額負担させたかったところだ。