金曜倶楽部

俺は人間をやめるぞ!チュチューーッ!!

音のない飲食店

 立ち飲み屋ではいい歳した大人がヘラヘラと鼻の下を伸ばして女性客に絡んでいる。嘆かわしい・・・!しかし冬は人肌恋しくなるもの。それは仕方ない。だが、刹那的な寂しさに人肌を求めるなど愚(ぐ)!

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 俺とえりちゃんで、警固交差点の裏に新しくできた立ち飲み屋さんに行った。「けごむす」って名前だっただろうか。

暖簾のロゴマーク、なかなかいいじゃない。

 

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 酒の種類も申し分ない。つまみも安くなかなか美味い。ただ、店が忙しすぎた2回注文を忘れられる。俺って印象薄いのか??

 そして、やはりこの店、おにぎり推しの店だった。腹が減っていれば是非食してみたいものだったが、この立ち飲み屋に入る前に俺たちは寿司を食ってきた。

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警固『吾妻寿司』

 

 店内には音楽が流れていない。30分置きに「ゴォォーン」と鳴り響く振り子時計の鐘の音だけだ。しかもお客は俺たち二人だけ。無音。

 

 思うに、人には無音に対する潜在的な恐怖があるのかもしれない。

 

音のない空間は不安になる。

 

ひたすら緊張。

 

 俺たちは、握りの「特上」を注文した。2600円也。安い。

 一貫目は大トロだった。極度の緊張とあまりの美味しさに俺は味が分からなかった。

 そのあとの寿司も当然全部美味かった。コースの八貫に加えて、穴子の押し寿司と、刺身、白子の揚げを頼んで、冷酒でググイといった。申し分無く美味かった。

 

 グルメブログみたいに写真でも見ながら振り返りたかったんだが、そんな空気じゃなかった。もしパシャパシャ写真なんか撮ってみろ。もしかしたら大将はため息を吐くかもしれない。

 また、「こちら、お早めにお召し上がりください(脅迫スマイル)」なんて言われたら・・・。そんなシチュエーションを想像しただけで舌を噛み切ってしまいそうになる。せめて、寿司に理解のある者として演じたい。そんな虚栄心が「とにかく寿司に集中しろ」と俺に訴えた。

 

 

 この日の寿司屋のイメージはこんな感じだ。

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テーブルの隣のガリが添えられている。

 

(これ、進研ゼミでやったやつだ・・・)

 このガリは、手で寿司を摘む前にちょんちょんと触るのだ。次食べる寿司に魚の匂いが付かないようにするもの。...だろ?テレビ番組で学んだ作法が役に立つとは。

 

 寿司は美味かった。極まっていた。緊張に関しては場慣れしていない俺の責任だ。しかし「無音」というのがこれほどプレッシャーになるとは思わなんだ。BGMというのは店の印象を決める要因であり、店の印象を演出できるツールでもある。なんの前情報もない店でもBGMでその店の輪郭がわかることもある。

 例えば極端な話、BEGINが流れてたら「ここは沖縄料理なのか?大将が沖縄出身か?ともあれ沖縄がらみの料理が出てくるな。」ってくらいは予想できる。

 逆に、ジャンルによって雰囲気が固定されるのを避けたいため、BGMを使わない店もあるそうだ。こういう店の方がカッコいいよね。今回の寿司屋はBGMでごまかさず、スッポンポンの抜き身で勝負していたとも言える。もう男根がボロンと出ている状態だ。

 

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 俺はその空気に飲まれてしまった。度し難いことに。しかし、今回で店の雰囲気は掴んだ。心積もりさえしてれば恐るるに足らん。また行くぞ。